草木灰
昨日は、土づくりに最適な資材をご紹介しました。
今回は逆バージョンです。
草木灰。単純に雑草、収穫後の残渣を燃やして残った灰の事です。
これを畑に肥料として投入される方が居られますが、土を痛めるので逆効果です。
灰は、アルカリ性ですしかも強いアルカリ性です。
米ぬか、堆肥を入れて土壌微生物を繁殖させても、強いアルカリ性によって微生物が死滅して
しまいます。残渣でも雑草でも葉が緑色の物は、肥料分(窒素)を含んでいるということです。
燃やして灰になったら栄養分はありません。土が痛むので止めましょう。
木の枝、木くず
植物だから大丈夫と思われるかもしれませんが、木の枝、木くずは、炭素率が高い為
土の中で分解が止まってしまいます。
「炭素率」聞きなれない言葉ですね。
炭素と窒素の比率。C/N比とも言います。この数値が大きいほど分解しにくい土に還りにくい。
ざっくり言うと、ぎっしりと詰まった繊維質の物は土に還りにくい。
もっと言うなれば、木の枝、木くずは、分解の際に土の中の肥料分(窒素)を奪ってしまいます。
つまり作物が必要とする肥料分(窒素)を横取りします。
結果的に肥料分が抜けた土になる。これを窒素飢餓と言います。
木の枝、木くずを入れた結果いつまでも土中に残って、土が痩せるということです。
遺跡から奈良時代の木簡が出土することがあります。これも原理は同じです。
土に埋めた所で分解しないので1000年以上前の物が残っているということです。
卵の殻、牡蠣殻
色々な畑、菜園を見てきましたが、これも入れている方が多い。
両方とも有機物で砕いて入れれば土に良さそうに思えます。
ずばり言いますと、両方とも水に溶けないので入れたところで土に残るだけです。
粉砕して土に混和しているので、無くなっているように見えます。
がしかし溶けないので土に残っています。
微生物は分解しないので、栄養効果も期待できません。
こちらも古代遺跡から貝の殻が出土しました。
というように、木簡同様に微生物が分解できないので殻が出土します。
良かれと思って入れても特段効果は期待できません。
番外編 もみ殻
3選と言いつつ。迷ったので書いておきます。
もみ殻自体は、沢山栄養分があります。繊維質で分解しにくいので土中の肥料分を
奪っていきます。畑作で使う場合は、肥料が過剰に効きすぎて土の中の肥料を抜きたい時
もみ殻を使うことがあります。
過去に産地のプロ農家の畑で、もみ殻と微生物を使って過剰な肥料分を抜いたことがあります。
特殊な場面や、炭素率を分かって、もみ殻分解分の肥料を計算して土づくりをするという明確な意図があるならば、お勧め資材です。
家庭菜園なのでそこまでしなくてもいいかなと書きつつ思います。
もみ殻マルチをされる方も居られますが、土が上から被ってしまうと同じ原理で土が痩せていくので注意してください。